言葉
頭の中のモヤモヤを表現しようと言葉にすると、言葉になったとたんにその言葉に捕らわれてしまって、元のモヤモヤの本質である不確定性あるいは多様性が失われてしまう。
この感覚は量子力学での測定を思い出させる。あたかも、測定前は不確定であった状態が測定によって波束の収縮が起こったかのようである。表現された文章は、収縮により測定される言葉が重ね合わさった状態であろう。したがって、表現力は言葉の数で計られるので、文章は持っている言葉数でしか構成できない。モヤモヤ状態の確率の高い部分に相当する言葉を持っていれば元に近い状態を表現できそうだが、そうでないと別物になってしまう。
これでモヤモヤしていた不確定性が消えてすっきりするかといえば別のモヤモヤが発生するのである。
この記事は 2007年12月15日07:02 mixiに投稿したものです。
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